人権擁護大会(in福井)に参加してきました・・・

2016年11月10日

人権擁護大会とは,日本弁護士連合会(日弁連)が主催する,人権問題の調査・研究,人権思想の高揚に資するため,年に1回,東京都以外の地で開催される大会です。今年は,福井県において第59回大会が開催されました。

ちなみに,昨年度は,千葉県での開催で,会場には幕張メッセが用いられ,当事務所の弁護士も全員受付や会場案内などそれぞれが各セクションに分かれて,千葉県での人権擁護大会に携わりました。

人権擁護大会では,毎年,日弁連の人権擁護活動の報告,人権問題に関する宣言・決議が採択されています。

また,大会にあわせて,毎回多数の弁護士及び市民の皆様が参加し,重要な人権問題をテーマにシンポジウムが開催されています。

 

今年の福井大会では,開催された3つのシンポジウムの一つである「死刑廃止と拘禁刑の改革を考える~寛容と共生の社会をめざして~」と題したシンポジウムや死刑制度の廃止を含む刑罰制度全体の改革を求める宣言が決議をされたことも大きく報道され,話題を呼びました。死刑という究極の処罰に関する問題であり,人の内心や信条にも大きく依拠する問題ですので,当然ともいえる反響かもしれません。

その裏で,あまり報道はされませんでしたが,同じく人権擁護大会のシンポジウムの一つとして「主権者教育における弁護士・弁護士会の役割~立憲民主主義を担う「市民」が育つために~」と題したシンポジウムが開催され,私はそちらに参加してきましたので,そこで行われた内容や感想についてご紹介したいと思います。

 

シンポジウムでは選挙年齢が18才以上へと引き下げられたことを受けて,学校現場での主権者教育というものに全体的に焦点が当たっていました。

具体的には,高校の公民授業の一コマをシンポジウムの内の約40分程度の時間を使って具体的に壇上で実際の授業内容を披露してもらい,その後パネルディスカッションとして,現役の教師などの実務家や憲法学者などの研究者が議論をするといった取組みなどがあり,事実と自らの主張を切り分けて考え,それを支える論拠(証拠)を探して論理を構築するという主権者として求められる資質や能力をいかに醸成していくかについて興味深いやり取りがなされました。

我々が所属する千葉県弁護士会にも「法教育委員会」という学生や学校関係者と連携を図る委員会が存在し,私や当事務所の他の弁護士も委員として中学生向けのジュニアロースクールや模擬裁判授業のアドバイザー活動など日々実践しています。

人権擁護大会では,他の地域の活動・実践報告,理論面などに触れることができ,我々の日々の活動も,自ら考える力を持った若者を育てることにつながっていることにあらためて気付かされる良い機会となりました。 

皆様も毎年行われる人権大会でのシンポジウムは参加自由ですので,興味を持たれたシンポジウムなどがございましたら,参加してみてはいかがでしょうか。

 

ちなみに,来年の人権擁護大会は,滋賀県での開催が決定しています。

私も,来年も是非参加して日々の業務では見落としがちな弁護士の使命などを見つめ直す機会にしたいと考えています。

弁護士 相田敦史

 

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